Vincent - Fast Forward

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オランダ・アムステルダムのレコードショップ、Redlight Recordsが運営し、ニューエイジアンビエント、バレアリック、果てはジャーマン・ニューウェイヴまで、オブスキュアな音楽を発掘・再発、クラブシーンを中心に広範な支持を得ている気鋭、いや、もはや名門レーベルと言えるであろう、Music From Memory。今回もヘビロテ必至な最高のベッドルーム・サウンド再発してきました!

実際最近ヘビロテしてるこの作品、四曲とコンパクトなサイズながら、重厚な内容で素晴らしいです。同レーベルからのWorkdub名義でも再評価の進んでいるミズーリのVirgil ‘Vincent’ Work Jr,によるソロ・ユニット、Vincentが1987年にプライベート・プレスしたカセット作品「Fast Forward」からのリイシュー。この「Fast Forward」セッションは、カンザスに住んでいたVincentの弟Scottとの一連の深夜ジャムから誕生。何か前もって計画されていたわけではなく、完全に即興演奏で育まれたトラック群は、独特の空間的かつ探索的なクオリティを発揮。リズムプログラミングやMIDI音源、シーケンシング、デジタルエフェクトなど当時の技術の髄を尽くされ、時代性を超越した音楽に仕上がっています。洗練された音の粒、そして、天上へと向かうマイナスイオンアンビエントニューエイジ、シンセファンクまでも感じさせる蒸気溢れるサウンドを非常に心地好く浴びせかけて来る。その時には坂本教授も愛用したヤマハDX7シンセサイザーKorg DW-8000シンセサイザーヤマハRX-15ドラムマシン、Korg SQD-1シーケンサー、シーケンシャルTOMドラムマシンなどが用いられており、このアルバムの実験性を大いに象徴しています。ヴァージル自身は「別のサウンドに早送りしたように」感じたことがが、このアルバムのタイトルの決定に関わっています。この宅録シンセ作品のオリジナルは、僅か100枚ほどが制作され、市販されていないものもあり、殆どは故郷のセントルイスにある地元のラジオ局や友人と家族に贈られたようで非常にレアな模様。本作は、地元のラジオDJや音楽雑誌から好評を得ていたものの、残念ながら、追加プレス出来るほどの環境や需要は整わなかったそうです。2017年にはアルバム発表から30年の歳月を迎えており、まさにメモリアルなリリースと言えるでしょう。これからも外行きに愛聴しそう。ハズレのないMusic From Memoryですが、今年のこのレーベルのリリースでは、Gaussian Curveやブラジルのニューエイジ・コンピと並んで好きかも。MeditationsLighthouseなどに在庫があるようで早めに入手した方がいいかもしれません。