V.A. - 80s Underground Cassette Culture Volume 1

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それが「正義」なのか否かは別として、新自由主義の伸長は共産主義を崩壊させました。それが1980年代に起こった歴史上最大の異変。もちろん、それは音楽においても顕著でした。シンセサイザーの普及した八十年代にはニューウェイヴが勃興し、革新的な音楽が国籍を問わず、次々と生まれてきたのは周知の事実です。特に地下シーンが巨大化し、無視できないものとして顕在化したのは最も大きな異変だったと思えます。

レフトフィールドな観点で、インダストリアル・ミュージックを再評価してきたグラスゴーの気鋭レーベル、Contort Yourselfからは、八十年代の地下カセットカルチャーを総括するコンピレーションアルバムが登場しました。ジャパノイズの先駆者として知らない人はいないであろう鬼才、Merzbowや、サウンドコラージュやエレクトロアコースティック、アンビエント、ポスト・インダストリアルといった奇抜な音楽を一手に引き受けた、イギリスを代表するサウンドアート・プロジェクト、Nocturnal Emissionsといった大御所を始め、Urbain Autopsy、Human Flesh、Blackhouseなどといったマニアック作家、もしくは名もなきアーティストまでも紹介した一大ショーケースです。

低減する騒音、パンク・ムーブメント終焉後の苦味、ニューウェイヴとの軋轢、退廃的ながらも耽美に尖った音楽の齎す恍惚は、当時の鬱屈とした若者たちを刺激してやまないものがありました。カセットテープにアイデアだけで武装したDIYアウトサイダー・アーティストたちの奇妙で野性的な世界は、確立された商業音楽界の規範に鋭い一撃を加えたハズです。ミニマルウェイヴからインダストリアル、ノイズ、プロト・テクノといったローファイな音楽をふんだんに詰め込んだこの八十年代地下シーンのショーケースは、ミニチュアのNWWリストとして機能する裏庭の音楽の歴史書の一ページといえるでしょう。

 

Complied by Murray CY
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