Jean-Pierre Boistel / Tony Kenneybrew - Percussions Pour La Danse

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Jean-Pierre Boistel, Tony Kenneybrew – Percussions Pour La Danse
Label : Left Ear Records – LER 1016
Format : Vinyl, LP
Country : Australia
Released : 01 Nov 2018(1989)

Bugle – Lucien Servent
Co-producer – Tony Kenneybrew
Guitar, Engineer – Gerard Raufast
Layout – Asger Behncke Jacobsen
Remastered By – Dan Elleson
Saxophone – Garcia Villemandy
Written By, Arranged By, Artwork, Co-producer – Jean-Pierre Boistel

毎月のお気に入り以外では久々の記事更新。毎月更新したいものですが、そんなにやる気が出なくて、コンスタントにやっていらっしゃる方は凄いなと思うばかりです。さて、今回ご紹介するのは、北米生まれのジャズ&コンテンポラリー・ダンス・インストラクター、Tony Kenneybrewと、フランスのジャズ・ミュージシャン、Jean-Pierre Boistelのコラボレーションによって、1989年にフランスのレーベル、Casa France-Usa」(彼らの自主レーベルか?)から唯一リリースされていた作品。オリジナルは流通数少なく、マーケットプレイスでは高価に取引されています。コンテンポラリー・ダンスとは、Wikiによると"現在行われているダンスのうち「非古典的かつ前衛的で、時代の先端を体現している」と考えられるダンス作品およびダンステクニックを指す曖昧な概念"だそうです。日本の暗黒舞踊とかもこのうちに入るようですね。当時の斬新さの限りを尽くしたようなエクセレントなアートワークからしてそそられるものは大ではないでしょうか。

Tony Kennybrewはワシントン出身で、12歳の頃からコンテンポラリー・ダンスのプロフェッショナルとして学び、八十年代後半にフランスで自身の才能に目覚め、そこで西アフリカの6ヶ月間の旅から帰還したJean-Pierre Boistelと出会うこととなります。極めてインフォの少ない両者ですが、出会うべくして二人は出会ったということになります。本作はTonyがコンテンポラリー・ジャズ・ダンスの授業で教える為に、また、ライブ・パフォーマンスの為に制作された作品で、生徒には「ゆっくりと踊り、速く踊り、テンポを変えずにスピードを変える」よう指示していたようです。Jean-Pierreはサンプル・プログラミングされたコンピューターを用い、さらにカリンバやトーキング・ドラムといった楽器を演奏。これによって、彼はトラックのテンポを設定し、その上でライブを演奏していました。このために各楽曲に必要な楽器やエフェクトを自由に追加することが出来たとされます。ニューエイジリバイバルな耳にも心地の好いモダンな箱庭空想テイストと、カリンバなどによって織り成すアフリカンな要素、コンテンポラリー・ジャズ・ダンスのフィーリングなどが落とし込まれた趣豊かなパーカッション・ミニマル作品であり、大変よく洗練された仕上がり。ニューエイジリバイバルで一周回って再評価されてるとはいえ、こういうのが元々良かったんだなと再認識するばかりです。これを再発したのは昨今絶好調のオーストラリア・メルボルンの新興発掘レーベル、Left Ear Recordsですが、昨年ブログにも書いたMinoru "Hoodoo" FushimiやナイジェリアのKingsley Bucknorなどといったセンスの良い再発案件を繰り出し続けていて、やはりここの審美眼は鋭いな。