Martin Dupont - The Complete Collection 1980-1988 (Minimal Wave)

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Alain Seghir (vocals, bass, guitar, synths, programming, production)

Brigitte Balian (vocals, guitar, bass, synths)

Catherine Loy (vocals, synths)

Beverley Jane Crew (vocals, clarinet, saxophone, synths)

パンク・ムーブメントの中、フランスのマルセイユにて1980年に結成、1982年より活動を始め、1987年に解散するまでの間、3枚のスタジオ・アルバムを残したニュー・ウェイヴ・バンド、Martin Dupont。当初は、Alain Seghir、Brigitte Balian、Catherine Loyの3人によって楽曲制作が行われていましたが、ファースト・アルバムの「Just Because...」のリリース後、Beverley Jane Crewがメンバーとして加入することとなり、それから数ヶ月と4部構成のコンサートの後、Catherine Loyがバンドを去ることとなります。

1987年に集団としての姿を消すこととなる彼らですが、その短い生涯の間に、The Lotus LatersやThe Lounge Lizards、Siouxsie And The Bansheesといったバンドのコンサートでの前座を務めています(これらは一切の広告事業の展開無しで実現)。New Waveへと分類されるバンドですが、その音楽性の大変分類は難しく、本質的にはエレクトロニック・ミュージックを演奏しており、そこにクラリネットが加わる形となっています。その不思議な外見からはしばしばNew Orderとも比較がなされ、今日彼らは多くの音楽好きの間から「カルト」バンドのひとつと看做されているようです。

その後、メンバーのBrigitte Balianが、ReR Megacorp界隈(所謂レコメン系)のグループであるZNRの一員、Patrick Portellaとコラボレーションし、Beverley Jane CrewがロンドンのContemporary Music Networkのプロデューサーとなり、Alain Seghirが振付師のJostte Baïzのために作曲。その後、スタイリストのGeneviève DelrieuxとPatrick Murruが外科医として活躍しています。この期間にAlain SeghirはDan Armandyと共同でYamaha DX7(世界初のフルデジタルシンセサイザーであり、80年代を代表するシンセサイザーの名機。「歴史的」「世界的」な名機として、1980年代当時の音楽シーンに一大シンセサイザーブームを巻き起こした)用のSupermaxカードを制作、それはJean-Michel Jarre(エレクトロニック・ミュージックのパイオニアであり、歴史的名作「Oxygène」でも知られる)による雑誌のキーボードのインタビューの中で「今年の発明」と考察されています。

再結成される見込みはなかったものの、00年代初頭には、ファンによるWebサイトの作成によって、グループ全体への関心が再び高まることに。バンド解散から20年後の2005年には、1985年のアルバムである「Sleep Is a Luxury」収録の楽曲"It's so"のビデオクリップが、レーベル、Minimal Waveによって、制作されることとなりました。このクリップは、 InfrastitionとOptical Sound、Godsandbeastsの共同で2006年にリリースされたDVD作品で、DDAAやEtant Donnes、Le Syndicat、Minamata、Vox Populi!など1979年から1991年に渡るフランス産のノイズ/インダストリアル、ニュー・ウェイヴ、アヴァンギャルドな作家/グループの映像を収録した「RVB ~ Transfert」にもフィーチャーされています。

2008年には、Minimal Waveから彼らの楽曲を収録したコンピレーション・アルバムである「Lost & Late」が限定盤ヴァイナルとして発表。これには、1985年に発表されたカセット「Inédits 81-83」に収録されていたいくつかのタイトルなどが含まれています。2009年には、「Just Because...」(1984)、「Sleep Is A Luxury」(1985)、「Hot Paradox」(1987)の3枚がフランスのレーベルであるInfrastitionからCDで再発されています(その後、2011年と2019年にも再プレス)。

2011年には、Madlibが彼らの"Just Because"を"For the Nasty"の中でサンプリング。2014年には、Trickyが同年のアルバム「Adrian Thaws」へと収録された"Something In The Way"の中で再び"Just Because"をサンプリングしていますが、Martin Dupontはクレジットされず、サンプルはデジタル・バージョンから削除されています。同年、Theophilus Londonは、Kanye Westがプロデュースした彼のアルバム「Vibes」の中でMartin Dupontの"Take A Look"をサンプリング。2009年には、Oneohtrix Point Neverがミックス「Superjammers Vol.1: Mirage Against The Machine」の中で"Just Because"を用いるなど、彼らのカルトな人気が窺えます。

2018年12月には、人気DJ/フォトグラファーのVeronica Vasickaが主宰し、世界中のオブスキュアなミニマル・シンセからニュー・ウェイヴを発掘・再発してきた名門レーベル、Minimal WaveからMartin Dupontによる60もの楽曲を収録した5枚組LPボックスセット(12ページにも渡るLPサイズのブックレットも付属)がリリース。本作には1980年から1988年に渡る彼らの全ての楽曲(LPアルバムから7インチ・シングル、カセット音源など)が網羅されたコンプリート・コレクションとなっており、LPサイズのフルカラー・ブックレットには、未公開の写真や彼らの歴史、セレクトされたリリックが掲載されています。これらのボックスやブックレットのデザインは、グライフィック・デザイナー、Peter Milesの手によるもの。5枚のLPは180Gのブラック・ヴァイナルでのプレスで、フランスのデザイナーであるYves Cheynetによるオリジナル・アートワークをフィーチャーしています。尚、SpotifyApple Music共に視聴可能。

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