F.J. - THAT'S THE WAY (Smiling C)

GBI Studiosの創設者であり、西インド諸島北部にある島嶼国家バハマの著名なソングライター/プロデューサー、Frank Penn(1941-2009)によるプロデュースの元、1993年に唯一作「Bahama Unite / Fools Love」を残した同国の知られざる才能、Fritz Bootle Jr.ことF.J.。

今年、Henry Jones主宰のカリフォルニアの新興レーベルであり、フランスで活動していたモロッコ人ラッパー、Shams Dinnやチェコ産バレアリック・ハウスの金字塔、Karyaによる「Muž Ze Skla」の再発も行っているSmiling Cから、F.J.のカタログから失われていた6曲の幻の楽曲をコンパイルしたコンピレーションが組まれることとなりました。多くの楽曲がヴァイナルでのリリースは初。

Fritz Bootle, Jr. (F.J.)は、90年代初頭にグランド・バハマ島にてレゲエとR&Bブレンドしたユニークな音楽を制作していました。彼はバハマのナッソーにある伝説的音楽スタジオ、コンパス・ ポイント・スタジオのバレアリックや、興隆を見ていた地元のソカのシーン、レゲエやディスコと言った音楽からインスパイアされていたそうです。彼はポピュラー音楽で見たギャップを埋めるためにこれらのサウンドを発展させていきました。

幸運なことに彼は、とある家族へと嫁いで、前述のFrank Penn主宰のG.B.I. Recordingsとそのスタジオで仕事をするための無制限のアクセスを与えられることになりました。そして、彼は自身の、Bob MarleyGeorge Duke、Teddy Riley、Journeyなどからの異なった影響をブレンドするというアイデアを思いつくこととなります。彼はDTMCubase(キューベース)へと夢中になり、マジカルなディープ・ベース・サウンドと、ニュー・ジャック・スタイルのドラム・プログラミングへと向かうこととなります。この「That's The Way」は、彼のバハマでの出来事に於ける最高の瞬間をまとめた回顧的コレクションとなるとレーベル側も豪語しています。

本作は、今年6月にSmiling CからLPでリリースされる予定。Smiling Cとも非常にカラーの近い発掘レーベルのLeft Ear RecordsSoundwayといった名門の再発盤・コンピレーション等も手掛けているオーストラリアのヒップホップ・プロデューサー、Dan Ellesonによるマスタリング仕様。Left Ear Records、Smiling C共にお抱えの2名である、コペンハーゲンフリーランス・デザイナー/プログラマーであるAsger Behncke Jacobsenと、アムステルダムのグラフィック・デザイナー、Rudy Guedjのコラボレーションによるデザイン。

その楽曲は様々なジャンルを貪欲に横断したユニークなものとなっており、ファンクやソウル、R&B、レゲエやソカなどのカリブ海の音楽、バレアリック、民族音楽、ニュー・ジャック・スウィング、エレクトロニック・ポップなどがミックスされた個性豊かなサウンドを披露しています。制作時期は不明のようですが、Cubaseが発売されたのが、ここに20数年ほどのことなので、90年代以降に制作された楽曲だと思われますが、個性に溢れるこの音楽は新譜と言われても分からない感じがします。発売はまだ先ですが、SoundcloudYoutubeにて全6曲がフル尺で試聴可能となっています。

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