雑記:久石譲が見せた、尖った横顔(随時加筆)
その前にも『Ghost In The Shell』や『アキラ』に触れるだけ触れてはいたけど、アニメのサントラやイメージ・アルバムに「オブスキュア」や「レフトフィールド」というキーワードがあるということを体感できたのは、完全にこれのお陰だなと(もちろん、原作も好きになりました。)
— 𝐿𝐼𝒮𝑀𝒪 (@telepath_yukari) 2021年11月16日
久石譲『吉祥天女』 pic.twitter.com/kYY9r03vzo
ミニマル・ミュージックに傾倒した現代音楽畑のアカデミックな作家としてのシンセサイザーによる実験やアイデアを二次元音楽へと落とし込んだ稀有な作家、久石譲。以前、ツイッターのハンネに彼の作品の表題を使っていましたが、最近まともにブログを書いていなかった反省もあり、関連ツイートを拾ってきて少し加筆した程度のものではありますが、久石関連の情報を少し綴っていきます。これらの情報や所感はアナログ盤や一部の作品を中心に今後気が向いたときに随時追加します。氏の情報については「ここ」でかなり詳細に紹介されているので、僕のものはあくまで備忘録にすぎません。
マニュアルプロジェクト 『デジタル ファンタジア DIGITAL FANTASIA』(1984)
全作曲:松任谷由実
全編曲:久石譲
演奏:マニュアル プロジェクト
まさにテーマは「久石譲、松任谷由実を弾く。」というもの。すべてユーミンの楽曲をシンセサイザーでインスト・アレンジ。久石率いるマニュアル・プロジェクトによるものとなっています。『鏡の向こう側 / Through The Looking Glass』の高い再評価でもおなじみのパーカッショニスト、高田みどり参加のMkwaju Ensembleの『Mkwaju』作曲/プロデュースを手掛けた時期にも近い、久石譲の尖鋭的な作風が全盛であった1984年という絶妙な時期の傑作。『和レアリック・ディスクガイド』掲載作品。
シュトックハウゼンにスティーヴ・ライヒ、テリー・ライリーなど、学生時代に現代音楽への関心を深めたエピソードは有名ですが、初期~下積み時代の久石の作品は大変ディープかつニッチな作風のものが多いことでもよく知られています。これから久石の作品へと入門していく人たちへと伝えておきたいことは、彼の最も重要な作品はジブリ関連ばかりではないということでしょう(もちろん、ジブリものにも〈ハイテック・シリーズ〉なる大変特異なクセもの作品シリーズが存在しているのですが・・・)。
ムクワジュ以外にも、ここで挙げた『デジタル・ファンタジア』や次紹介する『吉祥天女』『シンデレラ迷宮』『バース』『魔境遊撃隊』『めぞん一刻』『漂流教室』と、80年代初頭から後半にかけてはオブスキュアなテイストの作品が目立ちます。
個人的に最初にまともに触れた氏のレコード。当時人気を博した、吉田秋生作の猟奇ミステリアス・ロマン&学園物漫画『吉祥天女』のイメージ・アルバム。軽やかなタッチの中で不穏な影と妖艶な美が滲むイマジナリーなミニマル・シンセ/アンビエント作。
『海がきこえる』原作者の氷室冴子による83年の小説『シンデレラ迷宮』のイメージ・アルバム。ジャケからして病んだ雰囲気は伝わってたけど、暗いままで終わらなかったのが救いじゃないかと本人が自負している通り、ラストは秀逸だった。
氏のレコードは他にも手元にありますが、今日のところはツイートしたあった分まで。
以下はオマケ(『吉祥天女』オリジナルのインサート/ポスター)
『吉祥天女』2018年再発盤に付属するポスターと内ジャケット。
『吉祥天女』原作は文庫本で今も買えますが、名作なので是非。
https://twitter.com/telepath_yukari/status/1343190210595545089?s=20
https://twitter.com/telepath_yukari/status/1343190210595545089?s=20
https://twitter.com/telepath_yukari/status/1343190
210595545089?s=20