Young Scientist - Results, Not Answers (Bureau B)

James Husted、Marc Barreca、Roland Barkerの3名からなる米国・シアトル出身のシンセサイザー・トリオである、Young Scientistの1979年のデビュー・アルバムであり、同年のライブ・パフォーマンスを収めたカセット作品が、ジャーマン・ロックや同ジャンル影響下の作品を中心に発掘リリースを展開してきたドイツ・ハンブルクのBureau Bより初のCD/LP媒体として再発されます。

シアトルというと、グランジ・ムーブメントやSub Popなどのインディ・バンドのイメージが真っ先に浮かぶ人も多いと思いますが、既に1970年代からオルタナティヴな音楽シーンが花咲いた土地であり、Young Scientistは、この時期のシンセサイザー・アクトの中でも突出した存在とされています。彼らは、Cluster、Tangerine Dream、Harmoniaといったジャーマン・ロックの影響直下にあり、その作品の全てを自主リリースのカセット媒体で発表、1979年から1980年にかけて4本のカセットを残しました。オリジナルのカセットはどれも入手困難を極める希少な作品として知られています。

2015年には、実験音楽マニアにとって聖地的再発レーベルとして知られている、Vinyl-on-demandからも1979年から1981年のカセット音原をコンパイルした限定200枚の編集盤「Tape Recordings (1979-81)」がリリース。また、Cherry Redのシリーズ企画"Close To The Noise Floor"から今年リリースされた4枚組CDボックス「Close To The Noise Floor Presents... Third Noise Principle (Formative North American Electronica 1975-1984)」でも、Rhythm & NoiseやGeoffrey Landers、Smegma、Suicideなどといった錚々たるメンツに混じってその楽曲が紹介されました。

メンバーそれぞれが、1人のシンセシストとしてソロ活動や別のグループへの参加という形で音楽制作に携わり、中でも、RVNGからも編集盤が組まれたNew Wave/ExperimentalユニットSavantを八十年代に率いていたマルチ奏者Marc Barrecaは、同じくRVNGから再発されているK.Leimerが主宰するPalace Of Lightsから最近再発盤が頻繁にリリースされ再評価が進んでいます。

メンバーのJames Hustedは次の様に回想:「当時のシアトルのシーンはとてもアクティブだったんだ。そこにはあらゆる領域を横断した音楽を演奏している多くのバンドがいた。多くの"アート"や"パンク"、"エクスペリメンタル"、"ニューウェイヴ"とかね。その間ずっとバンド達は結成され、再結成されてきた。昔、Young ScientistがDead Kennedysのオープニング・アクトを務めたことがあるけど、それは当時(の音楽シーンに)どれほど広い領域があったのかを示している。当時の全てのバンドが彼らが演奏してきたジャンルのパイオニアだと感じているよ。彼らは皆限界を押し広げてきたんだ。当時の電子音楽のシーンでは、Young Scientistは間違いなくパイオニアの1つであり、リーダーだったと思っている。私たちは当時の他のどんな電子音楽バンドよりも多くのショーや異なるべニューで演奏したよ。」

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